2016/リオデジャネイロ

2016/リオデジャネイロ

第31回オリンピック競技大会が2016年8月5日から21日まで、リオ2016 パラリンピック競技大会が2016年9月7日から18日まで開催されます。今回の開催地はブラジルのリオデジャネイロであり、南アメリカ大陸では初めて開催される、オリンピック・パラリンピックとなります。今大会のオリンピックは全世界の205の国と地域から、パラリンピックは160の国と地域から選手やサポーターが集まることが予想されています。

このように記念すべき舞台となるリオデジャネイロ、そしてブラジルは、どんな都市であり国なのでしょうか。「カーニバル」「サッカー」などが有名ですが、その魅力はそれらだけではありません。日本から見ると地球の反対側に位置する、ブラジルについて説明します。

開催国ブラジルについて

ブラジルの基本情報

南アメリカ大陸の約半分を占めるブラジルの国土は、日本の約23倍であり、世界でも第5位の面積を誇ります。26の州と連邦直轄区(首都ブラジリア)から構成される連邦制の国家です。人口が最大の都市はサンパウロ、続いてリオデジャネイロです。あまりに広大であるため、都市と都市の間にはいまだに無人地帯が続いています。

ブラジル国旗

国旗の意味:緑は農林業、黄色は工業、23の星は22の州と連邦を、それぞれ表現しています。描かれている星座は、無血革命により共和制となった1889年11月15日8時30分のリオデジャネイロ市の空と同じものです。中央の文字は「秩序と進歩」を意味しています。

正式名称 ブラジル連邦共和国(Brazil)
首都 ブラジリア
面積 851.2万平方キロメートル
人口 約2億40万人
民族 欧州系(約48%)、アフリカ系(約8%)、東洋系(約1.1%)、混血(約43%)、先住民(約0.4%)
言語 ポルトガル語
宗教 カトリック(約65%)、プロテスタント(約22%)、無宗教(約8%)
通貨 レアル

「地球の裏側」ブラジルってどんな国?

ブラジル地図イメージ

ブラジルは気候ひとつとっても、大西洋沿岸の南部と赤道直下の北部では大きく異なります。人種構成も、古くから先住民と欧州系・アフリカ系の人種が混血を重ねており、さらに日本を含む多くの国から移民を受け入れているため、実ははっきりとは分かりません。この気候と人種構成の違いが、ブラジルの各地域の特徴になっています。

このように、様々な特徴を持つブラジルですが、文化やスポーツ、世界遺産や歴史などの特徴について、それぞれ個別に説明していきます。

ブラジルのカルチャー

リオのカーニバルは「競技」だった

リオのカーニバル

リオのカーニバルの歴史は1723年にまでさかのぼります。カーニバルは、別名「謝肉祭」と呼ばれ、キリスト教のカトリック文化圏における祝祭で、なかでもリオのカーニバルは世界最大規模になります。見物のためにリオデジャネイロを訪れる観光客は毎年、なんと100万人近くになるのだそうです。毎年2月中旬の土曜日夜に始まり、水曜日の明け方に終わります。

カーニバルのパレードでは、華やかなコスチュームをまとうサンバの踊り手の姿が印象的ですが、実は思い思いに踊っているわけではありません。なぜなら、カーニバルはオリンピックのように、参加グループ同士が獲得点数を競い合う競技だからです。一見、情熱に身を任せているようでも、そこには「調和」「展開」「衣装」の採点項目などの厳格なルールがあるのです。

ブラジルにおけるサッカーの美学とは

ブラジルの国旗とサッカーボール

ブラジルと言えば世界的なサッカー強国です。もっとも人気の高いスポーツであり、男女の区別なくプレーされます。ナショナルチームはワールドカップで5回の優勝をしており、これは世界一の戦績となります。オリンピックはプロ選手の出場が長らく禁止されていました。なお、1984年のロサンゼルス・オリンピック以降はプロ選手の出場が解禁されています。

ブラジル国民の精神性に深く根付いているサッカーは、昨今は「相手を転ばせず、自分も転ばない」ことが美学とされ、自国・他国の区別なく、フェアな試合をするチームに人気が集まっているそうです。ほぼ一年中サッカーの試合が行われており、最も人気が高いのが5月〜12月上旬に開催されるブラジル全国選手権になります。

コーヒーは世界一の生産量・輸出量

ブラジルのコーヒー

ブラジルのコーヒー豆生産量は約225万トンと、世界の生産量の約3分の1を占めています。約2万7000平方キロメートルの面積のコーヒー農園に、約60億本のコーヒーの木が栽培されています。ブラジルにコーヒー種が持ち込まれたのは19世紀で、現在までのおよそ150年間、世界一の生産量を維持し続けています。

食事中にコーヒーを飲むことは少なく、もっとも人気があるのは濃い目のエスプレッソです。街のあちこちにはコーヒーの立ち飲みをする喫茶店「バール」があり、込み入った話をしたり、仕事の合間の憩いのひと時を過したりするなど、コーヒーを飲むことが、コミュニケーションの一環になっています。

日本にも広がる伝統料理「シュハスコ」

ブラジルの伝統料理「シュハスコ」

塊の肉に岩塩を振りかけ、じっくりと焼き上げるブラジル風バーベキューが「シュハスコ」と呼ばれる伝統料理です。主に牛肉ですが、豚肉、鶏肉、羊肉の場合もあります。店内を串刺しにした肉を持った店員が歩き、食べたい肉が回ってきたら切り分けてもらうこのシステムは、日本でも「シュラスコ」などの名前で人気です。

他にも、肉と黒豆を煮込んだ「フェイジョアーダ」は、国民食として親しまれています。こちらの肉は塩漬けにした牛の干し肉やアバラ肉、ブタの骨付き肉、耳や豚足を使用することもあります。水曜と土曜の昼に食べるのが一般的ですが、毎日提供しているレストランもあります。付け合せのライスと一緒に食べると、その見た目はカレーに似ています。

ブラジルを代表する「自然」と「文化遺産」

アマゾン地域は世界の水がめ

アマゾン地域

アマゾン川は、ブラジルとその周辺国の熱帯雨林地帯であるアマゾンを流れ、大西洋に注ぐ世界最大の河川です。流域面積は約700万平方キロメートルと、オーストラリア大陸と同等の面積になります。流量は毎秒20万トンで、全世界の川の流量の約25%にもなります。

また、アマゾンには世界最大の地下帯水層があることが近年発見され、それは世界の人口68億人に、300年分の真水を供給できる規模であることが分かっています。豊富な水源は農業をする上でも非常に有利です。アメリカやオーストラリアなどが水不足に頭を悩ませる中、年々農業生産力を増大させているのです。

ブラジルはスケールの大きな自然が見所

イグアスの滝

観光名所のイグアスの滝は、隣国のアルゼンチンとの国境に位置し、両国にまたがる世界最大の滝です。イグアスとは先住民の言葉で「大いなる水」を意味しています。滝のほとんどはアルゼンチン側にありますが、観光はどちらの国を経由するルートでも可能です。点在する大小275の滝の総称「悪魔の喉笛」が最大の見所です。

スケールの大きさでは、大湿原パンタナールも負けてはいません。こちらも世界最大級の湿地で、世界遺産に登録されています。パンタナールの特徴は、その独自の生態系にあります。約130種類の哺乳類と、約460種類の鳥類が棲むこの湿地では、動物ウォッチができるのは乾季の7〜10月までで、それ以外は雨季になり浸水してしまいます。

「文化的景観そのもの」が認定された唯一の世界遺産

コルコバートの丘で両手を広げるキリスト像

世界三大美港に数えられるグアナバラ、その南に位置するリオデジャネイロの街、そしてそれらを取り巻く海と山。この景観すべてが「山と海との間のカリオカの景観群」として、世界遺産に登録されています。コルコバードの丘で両手を広げるキリスト像の写真や動画を観たことがある人も多いのではないでしょうか。

この世界遺産は、コルコバードの丘やリオデジャネイロ植物園などを含むチジュカ国立公園と、コパカバーナ海岸を含むグアナバラ周辺などで構成されています。コパカバーナ海岸は世界的なリゾートで、その近くの旧市街には、ポルトガル植民地時代の名残となる古い教会や宮殿などの建物が点在しています。

ブラジルの歴史

ブラジル各地では先住民が生活していましたが、1500年にポルトガルの船団が漂着し、彼らがポルトガル領を宣言したことから、現在のブラジルの歩みが始まります。1549年には、ポルトガル国王が総督府を設置しました。大規模な砂糖栽培が行われるようになり、当初は労働力として黒人奴隷が、奴隷制度廃止後は移民がその仕事にあたりました。

その後、1807年にポルトガルがナポレオンに侵攻され、ポルトガル王室は一時ブラジルに避難しました。ナポレオン失脚後に当時の皇太子がブラジルに留まって、初代皇帝ドン・ペドロ1世として独立を宣言しました。その後しばらくの間は帝政が敷かれましたが、1889年に無血クーデターによって共和制となり、3度の独裁政治を経て今に至ります。

日本からの移民の生活

ブラジルは世界最大の日系人居住地であり、現在は一説には約160万人の日系人が生活していると言われています。

ブラジル政府が日本人移民の受入れを表明したのが1892年になります。1895年に日伯就航通商航海条約を締結し、移住が始まりました。しかし、これは奴隷制度廃止による労働力不足解消のためでした。過酷な労働環境に耐え、コショウや茶などの栽培で成功を収めた日本からの移民とその子孫は、ブラジル国内でも高く評価されています。

公用語「ポルトガル語」を学ぼう

ブラジルのポルトガル語(ブラジルポルトガル語)は、本国の言語とは文法や語法が若干異なります。しかし、ポルトガル語圏においてはブラジルの人口がもっとも多いため、日本で販売されているポルトガル語教材も、ブラジルポルトガル語を対象としたものが主流となります。ポルトガル語を学ぶときは、教材を選ぶ際にそれが「ブラジルポルトガル語」の教材であるかに注意しましょう。

ブラジルポルトガル語は、基本的に母音と子音の組み合わせでできています。いくつかの例外を除けばローマ字読みをすることが可能なので、書き言葉を読むことはそう難しくありません。実際の勉強や旅行のときには、メモを見ながらだとスムーズに話すことができるでしょう。

開催都市リオデジャネイロについて

リオデジャネイロの街の風景

第31回オリンピック競技大会、リオ2016パラリンピック競技大会の開催地であるリオデジャネイロは、ブラジル南部に位置する、国内で2番目に人口が大きい都市です。華やかなビーチリゾートが広がるほか、サンバやボサノバなどのブラジル音楽発祥の地でもあります。2014年にはサッカーのワールドカップも開催され、世界的に注目される都市です。

第31回オリンピック競技大会の開催概要

大会名 第31回オリンピック競技大会(2016/リオデジャネイロ)
開催地 ブラジル・リオデジャネイロ他
期間 2016年8月5日〜21日(17日間)
実施競技・種目 28競技306種目

リオ2016パラリンピック競技大会の開催概要

大会名 リオ2016パラリンピック競技大会(2016/リオデジャネイロ)
開催地 ブラジル・リオデジャネイロ他
期間 2016年9月7日〜18日(12日間)
実施競技・種目 22競技528種目

開催までの経緯

2016年夏季オリンピックには、開催地の候補としてバクー(アゼルバイジャン共和国)、シカゴ(アメリカ)、ドーハ(カタール)、マドリード(スペイン)、リオデジャネイロ(ブラジル)、プラハ(チェコ)、東京(日本)の7都市が立候補しました。そのうち、開催能力を認められたシカゴ、東京、リオデジャネイロ、マドリードの4都市が正式な候補地になりました。

2009年の第121次IOC総会において投票が行われ、リオデジャネイロは1次選考通過都市のうち最下位でしたが、その後のプレゼンテーションなどで逆転し、開催国に選出されました。一方、1次選考通過都市のうちトップだった日本は落選し、2020年夏季オリンピックに再び立候補することになったのです。

オリンピック 2つの追加種目

第31回オリンピック競技大会から、7人制ラグビーとゴルフが追加されました。7人制ラグビーはヨーロッパで人気の高いスポーツであり、そしてゴルフは1904年の第3回セントルイスオリンピック以来112年ぶりの復活です。空手やスカッシュ、ソフトボール、野球、ローラースケートの追加・復活も検討されましたが、今回は落選してしまいました。

パラリンピック 2つの追加種目

リオ2016パラリンピック競技大会から、トライアスロン6種目とカヌー6種目が追加されました。参加選手は前回のロンドンから9.9%増加して、約4,350人と予想されています。

期待の日本選手

メダル獲得の期待が高まるのが、女子レスリングの吉田沙保里選手、体操の内村航平選手、卓球の石川佳純選手や福原愛選手など、歴戦の代表メンバーです。また、バトミントンの高橋礼華・松友美佐紀ペアは現在世界ランク1位であり、金メダルの可能性もあります。新種目の7人制ラグビーやゴルフにも注目です。

主な文化プログラム

ブラジル国旗と世界国々の国旗

オリンピックはスポーツの祭典であると同時に、文化の祭典でもあります。オリンピック憲章は、オリンピズムの根本原則として、スポーツを文化、教育と融合させることを謳っています。さらにオリンピック組織委員会は、”複数の文化イベントからなる文化プログラムを計画しなければならない”と規定しているのです。

2016年のリオデジャネイロオリンピックの文化プログラムのテーマは、「自然や宗教、歴史や移民文化」「自然美と気候」。主な事業は「ポピュラーカルチャーのショー」「文化的多様性を促進するフェスティバル」「国際的音楽フェスティバル One Heart Only Festival」となっています。

教育プログラム

オリンピック・パラリンピックの開催都市では、実態や特徴に応じて、主として青少年を対象にしたオリンピズムに基づく教育が行われます。
ブラジルでは、公立、私立の学校を対象として「オリンピック・パラリンピックの価値を体験」「新しいスポーツへの取組み」「様々なゲームに触れる 」などを目的とした"Transforma"と呼ばれる教育プログラムを実施しています。リオデジャネイロ・ミナスジェライス・サンパウロにある9,000以上の学校、400万人の生徒に対して実施されています。
ちなみに東京では、「ようい、ドン!」という名称でのオリンピック・パラリンピック教育プログラムを、平成28年4月から全ての公立学校で実施しています。

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