夢・未来プロジェクト 開催レポート

港区立赤坂小学校

港区立赤坂小学校の夢・未来プロジェクトの写真
実施日時及び会場 平成30年6月29日(金) 9時40分〜12時20分
港区立赤坂小学校(東京都港区赤坂8-13-29)
参加者: 講演・交流 5・6年生 127名      実技指導 5年生 61名
講師: 成田 真由美(パラ水泳 金メダリスト)
実績: 1996年 アトランタパラリンピック 100m自由形・50m自由形(金メダル2個)等
2000年 シドニーパラリンピック 200m自由形・100m自由形・50m自由形・50m背泳ぎ・150m個人メドレー・4×50mリレー(金メダル6個)等
2004年 アテネパラリンピック 200m自由形・100m自由形・50m自由形・50m背泳ぎ・50m平泳ぎ・150m個人メドレー・4×50mリレー(金メダル7個)等

概要

平成30年6月29日、港区立赤坂小学校において、成田 真由美さんをお招きし、5・6年生127名を対象に夢・未来プロジェクト(「自分にチャレンジ」プログラム)を実施しました。講演に加え、成田さんによる水泳の実技指導も実施し、児童たちは積極的に参加しました。

講演

校長先生から成田さんがシドニーパラリンピックで金メダルを6つ獲得したと紹介があると、どよめきとともに児童たちは驚き、更にアテネパラリンピックでは金メダルを7つ獲得したと告げられると、感嘆の声があがりました。
「自分がパラリンピックの選手になるとは、思いもよりませんでした。でも、もっと想像していなかったのは、私が障害者になることでした」と、当時の心境を語る成田さんは、運動が大好きで、男子に混じって野球に取り組む活発な小学生でした。

中学生になって身体に違和感を覚え、病院での検査後すぐに入院。そこから始まった車いすでの生活は、それまで想像すらしなかった闘いの毎日でした。そんな成田さんから児童たちへ、お願いがありました。
「車いすに乗った人を見かけたら、『お手伝いしましょうか』の一言を。そして目に見える障害を抱えている人ばかりではないことも知っておいてください。みんなの普段の生活の中でも、障害のある人にとって何が負担になるのか、どんな工夫をすれば障害のある人も快適に生活できるのか、心のどこかに留めながら過ごして欲しいです」

ここで成田さんから、実はスポーツの中で水泳は苦手だったとの告白があり、児童たちはとても信じられないといった様子でした。「嫌いなものでも、ある時、好きに変わる瞬間がある」との言葉に、児童たちは安堵や納得の表情を浮かべて聴き入っていました。
「目標をもって練習を積み重ねることが大切。少しの失敗は気にせずに周りと助け合いながら目標に向かって欲しい。今、私も日本新記録を目標にしています」

更なる挑戦を続ける成田さんの思いを、生徒たちはうなずきながら真剣に受け止めていました。

講演する成田さんの写真 講演する成田さん
金メダルを披露する成田さんの写真 金メダルを披露する成田さん

模範演技

児童たちの「お願いします!」という大きな声で、成田さんの実演がスタートしました。成田さんのクロールは大きなストロークで、ぐんぐん進んでいきます。泳ぎを見つめる児童たちの表情は真剣で、思わず「すごい…」「速い!」という声も漏れ、プールサイドは高揚感に包まれます。教員が「この速さだけど、バタ足はしていないんだよ」と解説すると、驚きの声があがりました。成田さんが泳ぎ終えると、大きな拍手が水面を揺らしました。

体験学習

児童たちは、ハチマキを足に巻き、下肢に障害のある方の水泳を体験しました。

まず、1本目のコースロープまで、けのびで進み、コースロープをくぐり、逆サイドまでクロールで泳ぎます。児童たちは、初めての体験に四苦八苦していました。

足にハチマキを巻くのが不安な児童たちは、プールサイドに座って待機していましたが、体験の様子を見て入水だけする姿も見受けられました。成田さんはそれぞれの児童のそばへ行き、笑顔でアドバイスを送っていました。

その後、ハチマキを足に巻いた状態で25mを泳ぐことになりました。最初は、けのびの勢いもあり速く進むも、息継ぎでバランスを崩したり、足を使ってしまいハチマキが取れてしまったりなど、なかなか思うように進めません。プールサイドで「難しかった!」と悔しそうに他の児童と話す姿もありました。

二度目のチャレンジでは、成田さんから声をかけられて、嬉しそうに他の児童とフォームを確認したり、ハチマキが取れないよう話し合ったりする児童の姿も見られました。

にハチマキを巻き、座って入水の写真 足にハチマキを巻き、座って入水

リレー対決

成田さんと代表児童3チームとの対決では、各チーム児童10人リレーに対し、成田さんは1人で挑みました。

代表児童たちは少し緊張した面持ちですが、チームで声を掛け合い、楽しそうな様子です。第1、3、4コースに代表児童が入り、第2コースに成田さんが入りました。スタートで第3コースの児童がトップを泳ぎ、それを成田さんが追う展開になりました。それに第1、4コースの児童が続きます。

応援する児童たちは、手をたたき「頑張れ!」と熱い声援を送ります。残り5人を残し成田さんがトップに立つと、それに追いつこうと接戦が繰り広げられます。

残り2人となった時点で第3コースの児童が成田さんを抜き、そのまま勝利しました。ゴールの瞬間、児童たちはバンザイをしながら「やったぁ!」と大きな喜びを見せました。応援する児童からも嬉しそうな笑顔と拍手、そしてまだゴールしていないチームに「最後まで頑張れ!」と声援を送ります。次に成田さんがゴールし、続けて残りの2チームがゴールしました。

最後の挨拶では、児童たちに成田さんからエールが送られました。
「今日は、大嫌いなことでも何かのきっかけで大好きなことに変わる、と伝えました。ぜひ、大好きなことも頑張って伸ばしていって欲しいです」

顔で指導する成田さんの写真 笑顔で指導する成田さん
成田さんと真剣勝負!の写真 成田さんと真剣勝負!

児童のコメント

 
● 「講演を聴いて、障害があるのは大変だけど、その分乗り越えて努力をする楽しみがあるのかも知れない、と前向きに感じた。成田さんの姿は、そこに努力があることが、とても伝わってきた」(5年生・男子)

● 「障害があって車いすでも、普通に生活し、夢を持つことができると感じた。夢を叶える努力を尊敬した」(5年生・男子)

● 「小学生の頃に苦手だった水泳で、多くのメダルを獲るまでの努力は、すごいと思った」(5年生・男子)

● 「実際に泳いでみて足が動かないと、体が沈み、浮くことが難しかった。怖いという気持ちより先に、うまくできなくて悔しいと思った」(5年生・男子)

● 「サッカー選手になる夢があるが、障害があっても頑張っている人がいる。自分の夢を叶える為に、人一倍の努力をしたいと思った」(5年生・男子)

● 「夢はまだ決めていないけど、理科や図工、発明が好きで物を作ることに興味がある。作ったときの新しい発見は、とても楽しい。先生からも教わったように、答えを知っていることより、自分で探し出すことが大切、という意味がよく分かった」(5年生・男子)

● 「成田さんとリレー対決をしたけど、下半身に障害があるのに、すごく速くて驚きました。体験で足にハチマキを巻いて泳いだら、上手く浮かべず体が沈んでしまって、難しかったです。成田さんの言葉で、どんな辛いことでも楽しいことの方が多いという話が、心に残りました。私も、苦手なことを嫌がらずにチャレンジしたいです。今後、競技を見るときは、記録だけじゃなく、選手がどんな努力をしてきたかにも注目したいと思います」 (5年生・女子)

● 「ハチマキを足に巻いて泳ぐと、足が沈んで立ってしまいました。普段から息継ぎが苦手で上手くできないけど、ハチマキを巻いたら本当に難しかったです。成田さんは水泳が苦手だった、という話には驚いたけど、努力を続けている人なのだなと思いました。私も苦手な食べ物を食べるとか、嫌いなことを克服できるよう頑張りたいです。パラリンピックは、限られた障害の人しかできないのかなと思っていたけど、目が不自由な人とか、いろんな工夫をして競技していると聞いて、驚きました。試合を見るときには、どんな工夫がされているのかにも注目したいです」(5年生・女子)

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