夢・未来プロジェクト 開催レポート

台東区立浅草中学校

実施日時及び会場 平成30年7月4日(水) 9時45分〜12時35分
台東区立浅草中学校(東京都台東区蔵前1-3-4)
参加者: 講演・交流 全校 249名      実技指導 2・3年生 168名
講師: 葭原 滋男(5人制サッカー)
実績: 1992年 バルセロナオリンピック 陸上 走り高跳び 4位入賞
1996年 アトランタパラリンピック 陸上 走り高跳び 銅メダル
2000年 シドニーパラリンピック 自転車 金メダル・銀メダル
2004年 アテネパラリンピック 自転車 銀メダル
※5人制サッカー(ブラインドサッカー)で日本はパラリンピック出場経験なし

概要

平成30年7月4日、台東区立浅草中学校において、葭原滋男さんをお招きし、全校249名を対象に夢・未来プロジェクト(自分にチャレンジプログラム)を実施しました。

講演に加え、2年生・3年生を対象にした実技指導も開催しました。生徒たちは楽しみながらも多くのことを吸収しようと積極的に参加しました。

講演

「葭原滋男です。よっしーと覚えてください」と笑顔で自己紹介をして、葭原さんの講演が始まりました。

葭原さんは10歳の時に網膜色素性症になり、だんだん視力が低下して見えなくなっていきました。「実際に視覚障害者になっても『同じ生活を送っていきたい。そして自分が新しい視覚障害者像をつくろう』と強く思い、『得意だったスポーツを活かそう』と心に決め、パラリンピックという目標をつくり頑張りました」と語りました。

また、自身の経験を踏まえ、「やりたい、おもしろそうと思うことには、まずチャレンジして欲しい」「目標や夢をあきらめないで欲しい」そして、5人制サッカー(ブラインドサッカー)を通して知った「仲間を大事にすること」を生徒たちに伝えました。

最後に、ぜひ2020年のパラリンピックを観戦したり、ボランティアとしてサポートしたり、一緒に練習したりして、障害者をもっと身近に感じて欲しいとお話ししました。

講演する葭原さん
ブラインドサッカーの説明

模範演技

模範演技では、葭原さんと指示を出すガイド(コーラー)が協力して、実際にパスやドリブル、シュートを披露しました。

まず、パスでは、ガイドが声と拍手で自らの位置を葭原さんへ伝え、葭原さんはその方向へ向かってボールを蹴ります。蹴ったボールはガイドの足元に見事に転がりました。そして、ガイドの蹴ったボールは葭原さんへ向かって転がり、葭原さんはボールの音を見事に聞き分け、足裏でしっかりとボールを止めました。

次に「コツは細かくボールに触って音を出すこと」と説明しつつ、ドリブルを披露しました。ボールが足元を離れることなく進む様子に、生徒たちは目を凝らしていました。

シュートでは、数メートル離れたコーンの間を狙います。ガイドがコーンを叩くことで指示を出し、葭原さんが蹴ったボールはコーンの間を抜けていきました。

生徒からの質問では、実生活で大変なこと、チームメイトとのコミュニケーションについて等の質問があがり、葭原さんはその一つ一つにユーモアも交えつつ、真剣に答えてくださいました。最後に、葭原さんが自身のメダルを披露しました。質問をした生徒が代表として実際にメダルを手に取り、とても嬉しそうな笑顔を見せました。

ドリブルの披露
メダルの披露

体験教室

2年生、3年生を対象に、ブラインドサッカーの体験と指導が行われました。

まず、アイマスクをつける際の注意が伝えられます。自身のケガ防止だけではなく、友達にケガをさせない為と話す葭原さんも、聞く生徒たちも真剣な様子です。

アイマスクをつけてボールを運ぶ体験や、ドリブルをする体験では、目の見えない状態と、アイマスクをつけずに指示を出す立場の両方を体験することで、視覚障害のある方への声かけの大切さを実感することができました。

シュート体験では、約4m先のコーンにボールを当てます。お手本の際に葭原さんが蹴る側、代表生徒がガイド役を務め、しっかり声を掛け合い見事にコーンへ当てると、拍手が沸き起こりました。

その後、生徒たちも指さし確認とガイド役の指示のもとシュートしますが、なかなか難しく、自然とガイド役だけでなく周りの生徒たちも声を掛け合い、皆で協力してボールをコーンに当てようとしていました。

体験を見守る葭原さん
シュート体験のお手本

終了後、生徒たちに葭原さんは「見える人・見えない人の協力が大事」と改めて伝えました。「チームワークがあると、1人ではできないこともできる。日常生活でも、困っている人、困っている仲間がいれば声を掛けて欲しい」と話しました。

代表生徒は「目が見えなくても、夢を追いかけることで夢をつかむことができるのだと知ることができました。街中でも積極的に声を掛けていきたいと思います。体験して難しかったけど、楽しかったです。ブラインドサッカーのルールも教えてもらったので、2020年パラリンピックの試合はぜひ応援したいです」と感謝の言葉を伝えました。

シュート体験
チームワークが大切

生徒のコメント

 
● 「アイマスクをするとボールの位置が分からないので、ボールをまっすぐ蹴るのが難しかったです。でも、『思いっきり蹴って!』と声を掛けてもらい、チームでいい声掛けができたらシュートが当たりました。みんなで声を掛け合い、助け合うことができて楽しかったです。今後ブラインドサッカーを見るときは、選手だけでなく選手をサポートする人たちの声掛けや動きにも注目したいです。」(3年生・女子)

● 「視覚がないとこんなにも難しいのだと、改めて実感することができました。パラスポーツを体験するのは初めてでしたが、実際にやってみると、自分1人の力だけでなくチーム力が大切なのだと思いました。葭原さんが視覚を失ったときの話で、障害者へのイメージが『かわいそう』『1人じゃなにもできない』というものを自分が変えていきたい、という言葉が心に残りました。自分もそう思っていましたが、今回の講演を聞いて障害に対する印象が変わりました」(3年生・男子)

● 「葭原さんの話を聞いて、障害を感じさせない前向きさや明るさに驚きました。体験では、見えないことに慣れていないので、ボールを体に触れさせてから『ここにボールがあるよ』と、しっかり声を掛けるよう心がけました。声掛けの大切さを実感しました。今回の講演・体験を受けて、2020年へ向けての意識が高まりました。困っている人がいたら、声を掛けられるようにしたいです。積極的にボランティアにも取り組みたいです」(3年生・男子)

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